1分足スキャルピング移動平均線手法と設定方法
移動平均線の習性として「収束」「拡散」という流れで動いています。
今回紹介する手法はこの移動平均線の習性を利用した方法になっており、少し裁量性が高いため初心者にはお勧めしませんが。
経験を積めば物凄く勝てるようになるやり方です。
という言葉を知っているでしょうか?
短期指数平滑移動平均線と長期指数平滑移動平均線の2つの線から構成される指標
簡単に言えばMACDです。
MACDを使うわけではなく、あくまで移動平均線を使ったスキャルピングになります。
MACDでも2つの移動平均線「短期」と「長期」からなる線をもとにトレンドの有無を判断していることになります。
MACDの最適パラメータと移動平均線のパラメータは特に気にしなくても良いです。
今回はMACDが作られる元となった移動平均線の習性【収束】【拡散】をうまく使い相場のトレード戦略を組み立てスキャルピング手法を解説していきます。
移動平均線もそうだが全てのインジケーターは答えを示しているわけではなく相場環境を予想するための参考的な存在だぞ
移動平均線とは
移動平均線(Moving Average)は、一定期間におけるデータの平均値を連続して計算し、その結果をグラフに描画することで価格変動の傾向を視覚化するものです。移動平均線は、金融市場で価格動向のトレンドを分析するための代表的なテクニカル指標のひとつです。
移動平均線の特徴
- シンプルな計算方法:一定期間の価格(通常は終値)の平均値をとり、次の期間が終わるたびに新しいデータを追加し、最も古いデータを除外して更新します。
- 期間:短期、中期、長期の期間で計算でき、一般的な例として、5日、20日、50日、200日などの期間が使われます。短期間の移動平均線は市場の変動を敏感に捉えますが、長期間のものは価格トレンドを滑らかに表示します。
- トレンドの把握:移動平均線の傾きや価格の位置によって、市場が上昇、下降、横ばいといったトレンドを判断します。
- サポート・レジスタンス:価格が移動平均線に接近したときに、その線がサポート(下値の支え)やレジスタンス(上値の抵抗)として機能する場合があります。
移動平均線は、単純移動平均(SMA)、指数平滑移動平均(EMA)、加重移動平均(WMA)など、いくつかのバリエーションがあります。
1分足スキャルピング移動平均線設定方法
スキャルピング手法によって移動平均線の表示本数は変わるかと思いますが
基本的には上位足の移動平均線を表示させるといった事に変わりはありません。
1分足スキャルピングで移動平均線を表示させる本数は2本であり
1分足移動平均線と5分足移動平均線を表示させます。
設定値は20です。
(5分足の移動平均線20を1分足チャートに表示させる方法は1分足チャートに移動平均線期間100を表示させます)
移動平均線期間20で良い理由はこちらで解説しています
1分足チャートに移動平均線設定値20と100を表示させる方法(MT4)
「挿入」⇒「インディケータ」⇒「トレンド」⇒「Moving Average」
1分足チャートに設定値20と100を入れる
移動平均線200からわかる【移動平均線が機能する秘密】
これは他の記事でも解説していることですが、移動平均線の設定値は20ないしは21で構いません。
移動平均線200なんかは有名であり、何故機能するのかといえば年間通して為替市場が開いている日数がおよそ200日であり
そのためこの平均値を現している移動平均線が200という設定になっています。説明されれば「なるほど」と思わないことも無いですね。
しかしこの移動平均線200、機能するのは日足チャートだけのはずが他の時間軸でも機能します。
これは何故なのか?
移動平均線200が効くらしいといった内容が世の中にいつの間にか出回ったため、とりあえず移動平均線200を表示させているトレーダーが増えたという事です。
表示させるトレーダーが増えたという事は移動平均線200を意識したトレードが増えるという事。
こうしたことにより、日足のみならず1分足や5分足1時間足なんかでも機能したりしなかったり
ここまで言ってしまえば大体わかるかと思いますが、
移動平均線で表示している設定値は20or21が最も多いです。
そのため移動平均線20を使ったトレードの組み立てが1番理に適っていると言えます。
1分足スキャルピング移動平均線手法【例】AUD/JPY
移動平均線20を使用してスキャルピングした例を解説していきます。
いきなりですがエントリーしてから1発目に負けトレードになっている場所です。
手法としては前途した通り1分足での移動平均線が上位足5分足の移動平均線に近づいている場所での揉み合いで、ブレイクを狙っていく手法になります。
画像では5分足移動平均線20を意識した反発が2度確認でき全体的に上昇相場という事も頭にあり買いで入る事しか考えていませんでした。
の部分でラインをブレイクしたので買いエントリーし利確予定位置は1分足20移動平均線を下に割った高値に設定していました。
しかしエントリーしてから上への伸びが悪く芳しくない状態だと判断し、おそらく損切りからのドテンショートになることを考えてショート目線で相場を捉えてみました。
長い目線でみれば相場は上昇なのは間違いないのですが、【今】どちらに行くのかを追いかけ判断するのがスキャルピングです。
損切りするという事はそこからショートで利益が狙えるポジショニングでなくてはなりません。
画像では損切りからドテンショートした時のポジションと利確位置になります。
移動平均線がデットクロスしているという判断もありますがやはり一番の基準は調整の上昇フラッグ形成が見えるという事でしょうか。
上昇フラッグの前に売りの勢いが強いことがラインチャートからでも十分にわかるかと思います。
代わりに買いの力は弱弱しく、小刻みに上昇しています(フラッグ)
この動きは調整波と言われる場面でよく見かけるパターンです。単純に売りの勢力の方が強いので時間のわりに大して相場が上昇しない場所になります。
このフラッグの下限ラインと1分足移動平均線20を下回ったあたりで損切りし、ドテンショートしました。
損失と合わせて±0のトレードになりました。
大事なのは戦場の固定と、トレードの立ち回りだ。手法自体に絶対的な優位性は存在しないからだ。
1分足スキャルピング移動平均線手法【例】GBP/JPY
次はボンド円での通貨ペアで見ていこう。
画像でもわかる通り1分足移動平均線が5分足移動平均線に近づいているときに
意識されている(抵抗されている)価格を突破してからのエントリーになる。
抵抗されている場所に矢印。その場所にラインを引き1分足で確定した後なるべくラインに戻ってきてからエントリーしている。
この時の利確位置は解り易く。前回高値になる。
ポンド円なので1分足でもこの時間帯ではこの幅だけでも15pipsはある
スキャルピングするならポンド円通貨はお勧めです。
この時は素直に勝ちましたが、エントリーする前にはもちろん逆に相場が行くことも考慮してポジショニングに臨まなければいけません。
こういった動きも想定していました。
もしもこのような相場になったとしたら抵抗ラインを抜けることもそうですが、5分足移動平均線を5分足で確定することも必要になってきます。
なぜならば5分足移動平均線20を1分足に表示させているだけで5分足チャートでは確定するまでは移動平均線を割れたと判断していない方も多くいます。
もちろん確定を待っていたらそのまま「いってらっしゃい」状態になることもありますがそんな時は無理にポジションを持たくづ見送りましょう。
勿論上にブレイクしたとしても騙しである可能性は十分ありますし、深く調整してくることもあります。
ブレイクしてエントリーし、ポジション保有して利確位置や損切り位置を決めて放置するのではなく、
自分の中でパターンをいくつか考慮しておき、仮に損切りになったとしても慌てずに次の行動に移せるように身構えておきましょう。
「プロトレーダー」と「負けトレーダー」の差はエントリーしてからの対応力の部分が大きな違いになります。
1分足スキャルピング移動平均線手法が負けやすい(難しく感じる)時の相場
1分足移動平均線が上位の移動平均線(5分足)に近づいたときに揉み合い発生のブレイクでエントリーポイントを考えていく手法だが、
もちろん全く機能していないときもある。
それは結論から言えばさらに上位の移動平均線同士が近づいているときであるという事だ。
こんな時は1分足だけ見て相場を想定していても全く思い描いた動きになりません。
上にブレイクと思わせてすぐ戻され下にブレイクかと思わせてすぐ戻ってくる。往復びんたを食らいやすい相場となります。
往復ビンタを経験したトレーダーは多いというかほぼ全員ではないでしょうか。
1分足チャートを見ると移動平均線同士が近づいており、相場がもみ合っていますが。
長いこと揉み合っています。
これを5分足チャートに切り替えると5分足移動平均線と15分足移動平均線が近づいており相場がもみ合っていることが分かります。
ここで仮定として相場の主戦場は5分足なのでは?と疑うことが出来ます。
さらに上位の15分足チャートを確認してみます。
15分足チャートでも上位足の30分足移動平均線ないしは1時間足移動平均線に近づいている状態であり。
さらに15分足で引ける紫の切り上げラインを突破して下にブレイク?が予想できます。
赤い切り上げは5分足チャートで引いたラインです。
おそらく主戦場は5分足or15分足ですが最後に1時間足も確認してみます。
下へのブレイクエントリーで間違いない場面と考えられますね。
後は15分足の切り上げラインは下へブレイクしているので最後の確認として5分足切り上げライン赤を下へブレイクしたのが5分足確定で確認できればショートエントリーが出来そうな場面です。
ではその後の動きを見てみましょう。
解り易いようにローソク足に切り替えてみてみます。
赤いラインを5分足確定で突破後に少しラインまで戻りを待ってエントリーしています。
このように1分足チャートでの移動平均線が近づいてからのブレイクが殆どですが、時間経過とともに当たり前ですが上位時間足同士の移動平均線たちも近づきます。
そんな時は1分足でのスキャルピングは難しく機能しないので慣れないうちは毎回上位時間足を確認して上位時間足の移動平均線同士が近づいていないことを確認しましょう。
1分足だけで勝てる手法はこちらもどうぞ
1分足スキャルピング「損切りは明確に決めておく」ルール
1分足スキャルピングでは必ず損切り=ドテンを考えていなくてはなりません。
手法例でもお伝えしている通りエントリーしてから利益確定まで素直に伸びないことも多くあり、ポジションを持ってから相場がどのように動いたら損切りするのか、
あるいはドテン(逆のポジションを損切りと同時に持つこと)するのかを考える必要があります。
その中でもよく見られるパターンが4つほどあります。
少なくともこの4つのパターンは想定してポジションを持つ必要があります。
1分足でのスキャルピングなので逆指値は自身にとって許容できる最大に設定しておきましょう。
私の場合であれば損切りする予定の場所よりも15pipsは離しておきます。
基本損切りは成り行きでおこない、急な値動きで成り行きではとんでもない損失を出してしまうのを防ぐために逆指値を置くといったことをしています。
1分足で負けるのは当たり前
そもそもの話、1分足はノイズが多くすぐストップになる。
しかし優位性があるトレードを繰り返すことで資金を増やしていく事がスキャルピングの目的なので
1分足で負けることは「必要経費」として考えれば負けることも特に怖くなくなるだろう。
1分足トレードは取引回数も多くなるため、最終的にはその日プラスで終えられればOKだ。
まとめ
慣れないうちは上位の時間足から移動平均線の状態を確認することが必須になります。
毎日確認しておけば自ずと相場がどっちに動きたいのか(相場として綺麗か)判断できるようになりますし。
上位の移動平均線を見ていなくてもメインがどの時間足かある程度分かるようになります。
1分足でスキャルピングすることが1番多くなりますが状況によってはデイトレードにもなる為
資金管理やロット数などは都度調整してポジションを持つようにしましょう。